SalesforceとAccount Engagementで休眠リードを“宝の山”に変える!
アストラストが実現した営業効率3倍の秘訣Case Study

株式会社アストラスト

営業支援課 平井様

※記載の担当部署・役職は、取材時の内容です。

INDEX

1 貴社の事業内容とミッション
2 導入前の課題
3 施策設計とコンテンツ制作の工夫
4 経営層・現場の変化と今後の展望
5 ビズブーストの導入支援と、導入検討企業へのアドバイス

近年、不動産業界でもDX推進の重要性が叫ばれる中、デジタルを活用したマーケティング施策は不可欠となっています。しかし、多くの企業がリード管理や営業連携に課題を抱えているのも事実です。
今回ご紹介するのは、投資用不動産販売を主力事業とする株式会社アストラスト様。同社は過去に断念したSalesforceのMAツール「Account Engagement(旧 Pardot)」の再導入に挑戦し、約2万件の休眠リードを活性化させることに成功しました。その推進役を担った平井様にお話を伺いました。

1|貴社の事業内容とミッション

まず、貴社の事業内容とマーケティング部門のミッションについて教えてください。

弊社は投資用不動産の販売を主力事業としています。マーケティング部門(営業支援課)のミッションは、見込み客の効率的な獲得と継続的な育成を通じて、営業活動の質向上と売上拡大に貢献することです。また、既存顧客との接点を増やし、カスタマーサクセスに寄与することも重要なミッションです。

貴社のホームページには「関わる方すべての方のスーパーヒーローになる」という、非常に分かりやすい経営理念が掲げられていますが、この理念はどのように日々の業務に落とし込まれているのでしょうか?

「関わる全ての方のスーパーヒーローになる」は弊社の経営理念であり、全社員がこの理念を意識して業務に取り組んでいます。営業であればお客様にとってのヒーローに、私のような営業支援課であれば「営業にとって役に立つ存在」や「既存顧客の人生を豊かにする存在」というヒーロー像を意識しています。

また、弊社の特徴の一つとして、販売から、その後の物件管理、さらには売却までをワンストップでサポートしている点が挙げられます。自社ブランド「ECREDE(エクレーデ)」の開発も行っており、現在、第2棟目が建ったばかりですが、今後も継続的な開発・販売を予定しています。このブランド開発・販売においても弊社の経営理念を大切にしています。

2|導入前の課題

平井様は営業支援課に所属され、マーケティング業務、Salesforceのシステム管理、ホームページ・SNS運用、コラム執筆、メルマガ運用など、非常に多岐にわたる業務に携わっていらっしゃいますが、一人でこれほど多くの業務を推進される中で、壁にぶつかることはありませんか?

もちろん、反対意見や「もっとこうした方がいいのでは」という声は出てきます。要望に応えるのは当然ですが、「言うことを聞きすぎない」こともすごく重要視しています。営業支援課として責任感を持って仕事をしているので、他部署からの要望をそのまま実行するだけでは意味がないと感じています。自分たちが良いと信じて推進していることは、全面的に推し進めていかなければなりません。

代表や営業からくる課題・要望を現実に落とし込むため、営業がやりたいこと、会社がやりたいこと、代表がやりたいことを整理していくことが私に求められていることだと考えています。

営業支援課は営業のように数字という分かりやすい指標があるわけではありません。「これを導入した」「やったことでこういう成果が出た」という結果が数値で測れないことも多いので、それでもどうやって会社の役に立ち、どうやって成果を上げていくかを常に考えています。

これまでの見込み顧客獲得・育成において、どのような課題がありましたか?

最も大きな課題は、展示会やイベントで獲得した約2万件のリードが十分に活用されず、休眠状態になっていたことです。営業部門が見込み顧客へのアプローチを担っていましたが、件数が膨大でフォローが追いつかず、各リードのステータス把握も困難だったため、適切なタイミングでのアプローチができていませんでした。

またリード管理はSalesforceで手動入力し、フォロー状況を記録していましたが、リアルタイムでの進捗把握やリードの優先順位付けが難しい状態でした。そもそも、何もフォロー活動を行っていないリードも多く、担当者が退職すると、そのフォロー状況が更新されずに止まってしまうという状況でした。また多くの件数を抱えていることから、担当者が誰のリードを持っているのか把握できないことも多くありました。

営業のマネジメント層は、どのように部員を管理されていましたか?

過去はほぼマネジメントができていないような状態でした。Account Engagementを再導入する少し前にSalesforceを再導入したタイミングで、課ごとのダッシュボードを作成し、リードのフォロー履歴も全て取るようにしました。フェーズが変わったらチェックするなど、現在は商談プロセスが見えるようになっています。

今回、MAツールを導入した理由を教えてください。

当時は有望リードの定義がなく、すべて同じレベルでアプローチを行っていたため、営業の工数が分散してしまい、本来注力すべき見込み客への対応が不十分でした。そのため約2万件のリード管理の効率化とフォローの自動化が急務でした。特に、大量のメール配信を効率的に行いたいというニーズや、スコアリングによる有望リードの可視化、営業との連携強化が主な導入理由です。

Account Engagementを再導入されましたが、過去に一度廃止した経緯がある中で、ハレーションはありませんでしたか?

そこまでハレーションはなかったと思います。一度廃止してしまった理由が、「うまく使いこなせなかった」という点が一番大きく、Salesforce自体を一度辞めることになったため、Account Engagementだけ残しておくわけにはいかないという理由でした。元々Account Engagementは「上手く使いこなせれば良いツールだ」という認識は社内にありました。そのため、今度こそ上手く使いこなそうという思いの方が社内では強かったと思います。

不動産の商材だと、メールよりもLINEやSNSで囲い込む施策が増えているかと思いますが、そういったツールの検討はされましたか?

検討しなかったわけではありません。実際にそういった声が出たこともあります。ただ、新しい施策始めるよりも、過去にAccount Engagementを入れていて私も触ったことがあったので、既に使い方はある程度分かっているという点で、まずはできることからやった方がいい、という視点もあり、Account Engagementを優先しました。

また、Account Engagementの魅力はメール配信によるコミュニケーションだけではなく、お客様の検討度の可視化にあると考えていました。今まではお客様の興味や温度感が取れていなかったのですが、それがスコアリングによってパッと可視化できるようになる、という点を私も代表も一番求めていました。

弊社の特徴として注力している部分に「顧客フォロー」という既存のお客様のフォローがあります。Salesforceで活動記録を残すことで、1ヶ月以上連絡していないお客様がいるとアラートが出るようになっています。各営業が担当しているお客様の数が多い為に、どうしても出てきてしまうこともあります。今後は営業からのフォローだけでなく、営業支援課からのフォローもしていきたいと代表とも話しています。

実際に2回目のSalesforce導入後、当初感じていた連携のしやすさなどにギャップはありましたか?

やはり「便利だよね」という認識です。メインで使っているのは私なのですが、最初からちゃんと製品理解をしていたので連携における悪いギャップはありません。むしろ「これらの機能をもっと活用すればこんなもんじゃないよね」と、良い意味でステージが上がったというか、目指す山がまた高い山に変わった印象です。期待値がどんどん上がっていくような状況ですが、Account Engagementを活用することで実現できると考えています。

現在、Account Engagementで主にどのような施策を行っていらっしゃいますか?

シナリオを活用したメール配信や、それに基づくスコアリングによって休眠リードへのアプローチを行っています。スコアの高い顧客には架電によるフォローも実施しています。

弊社では毎週末ショッピングモールでイベントを行っているので、そこから獲得した方向けのシナリオや、展示会出展時に獲得した不動産投資や資産運用に興味がある方向けのシナリオなど、新規顧客も休眠顧客も含めてシナリオで管理をしています。

MA導入各社がシナリオ作成には苦戦していますが、アストラスト様がシナリオを実施させることができた理由はどこにありますか?

Salesforce再導入のタイミングで、眠っているリードが2万件あるということに気づいたのです。そこで営業部の方で架電していく体制を取りました。2、3年前のリードではありますが、アポイントが取れるようになったことで、「ここはちゃんとアプローチしていかなければいけないのではないか」という認識が社内で芽生えました。

とはいえ2万件あると、さすがに全て電話するのは厳しいですよね。電話番号の情報がない方もいらっしゃるので、そういった方たちにどうアプローチしようかと検討したところで、やはりAccount Engagementだ、となりました。

シナリオの視点で言うと、休眠リードをうまく動かそうというところがベースにありながら、新規で様々な方面から獲得できるリードへの追いかけるシナリオも作っています。

確度が高いリードは当然すぐに架電しますが、基本的に弊社では月曜日と金曜日に営業部で架電時間を設けています。ただ、ホットなリードを放置しておくわけにもいかないので、なるべくその日のうちに架電するようにし、それ以外のものは月曜日と金曜日の架電時間を使ってスコアの高いリードからかけていこう、という形になっています。

これにより、属人化せず、全体の営業力が底上げされたと考えています。今までは本当に人によって判断が違うこともありました。例えば営業1課と営業2課では営業スタイルが異なるため、「1課はこの確度のリードにかけてないけどいいの?」といったことがありました。もちろん、逆もしかりです。

そのため会社で基準を決めて「このリードもホットだよ」と教えてあげた方が、成約する確率も高まるはずと考えました。会社としてスコアリングの基準を決める際は、営業のマネジメント層全員に入ってもらい、一緒に決めたので、今は全社として同じ基準になっています。

スコアリングについては、失敗を重ねながら検討している状況ですが、スコア上はすごく温まっているのに、蓋を開けてみたら全然学習が足りなかった、ということも当然あります。ただ、今までそもそも個人情報が最新の状態でないことが大きな問題でした。営業側が常にフォローし続けられる状況でもなかったので、電話をかけたことによって正しく新しい情報が得られた、というだけでも私たちにとってはプラスです。今はすぐに購入できるお客様ではないですが、そこからまたメールを送ったりして、改めてスコアリングで良い評価がでてくるということは、資産運用に興味はおそらくあるはずです。そこまで温めていく事が営業支援課で実施していかなければいない事だと思うので、失敗ではあるかもしれないですが、全くそれを悪く捉えているわけではありません。

Account Engagementは「行動」と「グレード」という軸を持っていますが、スコアリングをする際に「グレード」は重要視されていますか?

そうですね。不動産投資は、どうしても年収が500万円くらい必要で、かつローンを使うので基本的には勤続年数もある程度必要になりますし、勤務先の会社などもかなり大きな指標になってくるため、グレードはどうしても重要視せざるを得ません。

過去に年収が足りなかったけれど、今は年収が足りている、ということも同じ会社に勤めていれば結構あると思うのです。その情報が得られるだけでも大きいですよね。1年前は450万円だったけど、1年経って役職が変わって500万円になりました、というケースも確かにあります。

リード獲得やナーチャリングにおいて、定量・定性的な成果はありましたか?

確度の高いリードに絞ったアプローチが可能となり、アポイント取得の効率が向上しました。Account Engagement導入前と先月(5月)の実績を比較すると、アポイント件数が約3倍になりました。半年くらいでこの成果はすごいと思います。2月は2倍、3月は2.5倍、4月は2倍と徐々に増え始め、そして5月は3倍と必ずしも右肩上がりではありませんが、確実に増えていますのでAccount Engagementの成果だと考えています。

3|施策設計とコンテンツ制作の工夫

コンテンツ制作で工夫されている点はありますか?

投資用不動産に興味のある方の疑問や不安に寄り添うようなコラムを作成しています。また、1名体制での運用のため、コラムもメールもテンプレートを活用することで効率化を図っています。

またコラムは営業社員にも読んでもらっています。例えば「ここはもう少しこういうことを話してほしい」「こういうことをアピールしてほしい」といった要望があれば、言ってもらうようにしています。実際にこのコラムを読んでいただいて、アポイントになった場合、商談するのは営業なので、営業にとって「絶対この話は間違いない」というのをコラムにも反映させたいと考えています。

リアルにお客様と商談している営業から、「最近のお客様はこういうことに興味がある」とか「この年代のお客様はこういったことで悩んでいることが多い」など、コラムには営業のフィードバックが反映されています。

アドバイスはトップ営業から貰うことが多いです。そもそも弊社には「他の部署がやっている活動を知らないのはおかしい」という考えが浸透しています。その考え方なので、「まずこれをやります」と代表に話をした時点で、「これは全社に公表して、ちゃんと全員に読んでもらおう」という話になります。

「何をやります」、「お客様にこういう配信してます」など、メールの内容も全部営業に分かるように報告しています。そのため、私から聞きに行かなくても、「こういう感じの方がいいんじゃない」といった声が営業から結構かかることもあります。

4|経営層・現場の変化と今後の展望

営業との連携やリードの質にどのような変化がありましたか?

スコアリングにより、温度感の高いリードを営業が把握できるようになり、営業からの自主的な相談や提案が増えました。またメールの反応から関心テーマを把握でき、営業トークにも役立っています。

経営層や現場の反応、MAへの理解はどのように変わりましたか?

以前から便利なツールという認識はありましたが、最近では「より活用し、もっと売上につなげていきたい」と代表と話す機会も増えています。

マーケティング活動や営業手法のステップアップを実感しているため、上からは良い意味でハードルが上がっています。また現場の営業からの期待値も上がっており、要望というよりは新たなツールの使い方提案やアドバイスが入るようになってきました。

今後、Account Engagementを使って取り組みたい新しい施策はありますか?

現在は休眠リードの掘り起こしに注力していますが、今後はAccount Engagementを活用して新規顧客の発掘にも力を入れていきたいと考えています。それに向けてセミナーの体制を充実させていく動きが社内にあります。セミナーは今まであまり効果が感じられずにいましたが、オンライン・オフライン含めて新規顧客獲得活動をしていくため、Account Engagementをフル活用していくつもりです。Account EngagementでLPを作ったりすることもできますし、LPで登録することによりプロスペクトに一気になってくれるので、メールで追いかけて検討度を容易に把握する事が可能になります。

Salesforce(Account Engagement)に限らず、自社で実現したい新しい施策はありますか?

バックオフィス領域のDX推進と、AIの活用を進めたいと考えています。部署ごとに異なる顧客管理システムを一元化し、社内全体で情報を共有できる体制も整えたいと思っています。AIについても、個人的には業務に積極的に取り入れており、単純な作業効率化だけでも非常に有効だと感じています。AIスキルは今後不可欠なものになると考えており、全社での活用を目指しています。

バックオフィス領域のDX推進はかなり幅広いかと思いますが、具体的にどういった領域をDX化されたいイメージでしょうか?

経理や契約書関連などは既にDX推進を進めているのですが、いまだに進んでいない部分がいくつかあります。また、不動産業界はどうしてもデジタルに弱いというか、いまだに紙の書類が普通にあるような業界なので、そういった部分をDX対応していきたいという思いがあります。

さらに、現状は部署ごとに異なる顧客管理システムを使用しています。営業部はSalesforceを使っていて、バックオフィスは不動産に特化した顧客管理システムを使っています。かつてSalesforceにまとめようとしたことがあるのですが、失敗してしまったという過去がありまして。ゆくゆくはその一つにまとめていきたいな、と思っています。

また、商談結果を営業から上長に報告し、そこに対して上長が「次はこういうアプローチをしていったらいいよね」とフィードバックしているのですが、それもAI化できるのではないかと思っています。

5|ビズブーストの導入支援と、導入検討企業へのアドバイス

弊社の導入支援はいかがでしたか?

非常に丁寧で分かりやすいご説明をいただき、一人での運用への不安が解消されました。こちらの質問意図を正確にくみ取ってご提案いただけたおかげで、スムーズに導入・運用ができました。

最後にAccount Engagement導入を検討している企業に向けて、アドバイスやポイントがあればお願いします。

導入前に「何を自動化したいのか」「どんな成果を求めるのか」を明確にすることが重要です。Account EngagementやSalesforceは非常に高機能なツールなので、最初はシンプルに、できるところから始めることをおすすめします。完璧を求めすぎず、基本機能で成果を実感することで、継続的な活用につながります。

弊社では最初はみんな夢を描いていたのですが、初期は本当にシンプルな機能、シナリオから始め、少しずつ成果を出していきました。夢は膨らむけれど、少しずつ整えていいき、まずはシンプルなシナリオからやろう、と削ぎ落として合意をえながら進めました。導入を検討している企業のご参考になりますと幸いです。

また導入にあたり、ビズブーストの知見やノウハウ、対応力にご評価をいただきましたので以下の通り、記載いたします。

「非常に丁寧で分かりやすいご説明をいただき、一人での運用への不安が解消されました。こちらの質問意図を正確にくみ取ってご提案いただけたおかげで、スムーズに導入・運用ができました。」

 
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